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2006年11月 8日 (水)

0302(多機能財布)とは

Dsc01060c 最近、ウチの0302(トレチェントドゥエ)についてのお問い合わせ、実店舗での店主のご説明が増えたので、改めて、世間一般でいうところの「多機能財布」、このモデルについて述べてみたい。

ココで、「続きを読む」をクリックいただいた方にだけ、このモデルの開発の経緯を、店主になり代わり、お教えしちゃいましょう。

元々、91年だったか92年だったかに、0301(トレチェントウーノ)という、SJらしく、中に入れるものから寸法を割り出し、ミリ単位でファッション的なバランス処理をして人気だった、ダブルファスナーのメンズポーチを販売していた。

ただ、レディスの「セカンドバッグ」ではない、メンズの基準サイズのこのポーチも、「こんなに入れるものがない」というお話も聞こえていたので、そういった方のために、「コンパクト」「多機能」を求めて設計したのが、0302だ。95年暮れのことだ。

普段、外に出かける時に要るものは何か? そこから検討し、日常に必要な最低限の持ち物を、いかに効率的に収納し、使い易い位置に配置するかを考慮。そうすると、財布を入れるのではなく、ソレ自体に財布機能を付けてしまえば良いと考えた。「多機能財布」をググっても、「収納部分の多いだけの単なる財布」が 世間では殆んどだが、SJデザインのこのモデルは、ホントウに"多機能な財布"だ。というか、「財布」の域を出ちゃってるかも。

Dsc01058c 結局は、札、小銭、カードを使いたいのであって、財布という器を使いたいワケではない。キーケースや、その他のものもそうだ。個別に器をつけるから、重なって余分な嵩が増えるのであり、旧来のアイテムで同程度の内容を使うためには、外出に、倍以上の容量のカバンを必要とする。共用の器に、複数アイテムの機能を付加してしまえば、ソレ一つで済んでしまうだろう。ただ、コレをやってしまうと、旧来のアイテムが売れなくなるけどね。(^^;;

カードの収納枚数だけで多機能と謳ったものもあるが、この0302は、そういうカタチではない。カード収納もポケットとして6枚プラス2箇所を設定しているが、当モデルは、マルチ側に別途カードケースを挟み、収納枚数を増やしていただく方向へ考えているモデルだ。

(だいたい、二つ折りと財布いう、コンパクトを求めるためのアイテムに、カードホルダーを増やして分厚くするってのは、見た目もエレガントじゃないし、投影面積が小さくなるだけでコンパクトではなくなり、本末転倒な気もするから、多機能財布を謳うなら、折財布や長財布とは別形にしたいという気持ちが大きかったからだ)

そして、何度も試作を作りながら、最終的に、この形になったワケだ。それぞれの収納位置も、開口部に近い遠い、手前、奥の位置関係も、このときに決定。

当時、携帯電話のサイズも、徐々に小さく、薄くというところだったので、ソレを見越した厚さを設定。ただ、Fomaが発表され、厚さが戻った時にはドッキリだったけどね。(^^;; また、当時、まだ大きかったデジカメをはじめとし、PDAも、パワーザウルスという、カメラ付きの大型モデルだったし、音楽プレーヤーも、MDタイプだった。それらデジタル機器も、コンパクト化していく流れを見、それらの大きさが、どの程度なのかを予想し、サイズを決定。

もちろん、手帳メーカー:システマの旧直営としては、手帳を挿み込むことは必須。だからこそ、手帳を挿む側のポケットは、手帳の背をぴったり着ける為に5mm、ペンホルダー側を10mmにしているのは、小銭入れの蓋をひっくり返して差し込むため。小銭の抜け落ちない、ファスナーの干渉しない10mmだ。小銭入れ以外にも、被せ型の小物なら何でも差し込めるように考えた。

人それぞれ、日常必要とするものは違うが、考えうる一般的アイテムを、その使う人の立場になって考証し、機能的にレイアウトできるように考えた結果が、このような、OSを搭載しただけのPCのような、アプリケーションは、ユーザーが選択して使えるような形になったワケだ。ある程度、「ココにコレを入れましょう」的要素を持っているが、使い方は人それぞれなので、収納の仕方の自由度は大きく設定されている。このあたりの設定が難しかったんだよね。こちらからの押し付けではなくても、組み合わせ収納が出来る寸法設定って。

外観は、余分な装飾を一切廃し、革の表情のみで語れるようにした。当然だけど、革にこだわるウチのお店ならではの革をセレクトしていることは言うに及ばない。また、こんなところにロゴや、プリントが入っていては、ホンモノを愛するオトナには向かないので、もちろん何も入れない。手帳を入れる人は全開したいが、小物を入れる人は袋状で使いたいということから、スライドストップ機構を持たせ、世界のトップファッションでも使われ、YKKの数倍以上のコストの、スイスのriri ファスナーを採用。外寸サイズも、持ったバランスがスマートなように、何度も鏡を見た。美しくなければ、SJデザインじゃないからね。

もちろん、0301ポーチをお求め頂いている方が、ソレを無駄にしないように、0301にキレイに収納できるサイズにしている。合体ロボット世代だからじゃないの?(^^ゞ

形として、第一弾モデルを発売開始したのが、96年。つまり、10年前になる。それ以来、当時はまだweb店を持っていなかったので(web店は99年から)、実店舗を中心に人気になり、当時、岐阜の1店舗だけで、60本の初回ロットを3ヶ月足らずで完売。その後、札入れ部の深さを5mmほど深くした以外は、革を替える以外の調整をしていない。一度お使い頂いた方は、ほとんどがリピーターになっていただき、人気をキープしている。

縫製を解かないと判らないような芯材にも こだわっているのは、紳士服の仕立てを意識したものだ。英国生地のカッチリジャケットと、キトンのようなしなやかなジャケットじゃぁ、中の芯材も違うからね。特に、ラムの2色、バッファローキップの茶、キップナッパのカーキなどは、パルプ系の芯材をやめ、革を芯材に入れる念の入れよう。内張りにも革を使用し、革じゃないのは、ファスナーの金属とバイアステープ、そして、縫製糸だけだ。

確かに、一見すると、今までの財布でもなく、カバンでもないわけだから、抵抗があるようだが、その使い勝手を傍で見ちゃうと、欲しくなって頂けるようだ。ただ、実店舗では、圧倒的な人気を誇るこの商品も、ネットでは、店主のページ作りが下手なため、その魅力が上手く伝わっていないのかな。実店舗での売れ方に対して、ずっと少ない。

この0302は、SataniqueJardinブランドの顔といって良い商品なので、売れ過ぎても、今の工場では生産が追いつかないが、もう少しくらい、認知されると良いね。その為には、マトモなページ作りと、SEOだね。それより、こんなこと書くと、コピーモノが増えるかも…。

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